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今の仏壇・私の仏壇


 現在販売されている仏壇は、ほとんどが既製品で取り売りにて販売されています。
この業界は意外にもグローバル化が進んでいますので、外国生産が多く、安く作る
事が常識で、仏壇に付属する本尊や仏具もオマケやサービスで、一式いくらという
様に販売されています。そのような状況で日本の職人が生きてゆくのは将来的にも
難しいと言えます。

 そもそも仏壇の価値と価格が、余りにも曖昧で同じ商品が様々な方法、価格で
販売されており、時には8割引き、9割引き等、不信を極める販売品です。
その一方で自社生産、伝統の技を生かした工芸品のように宣伝し、実際は外国で
大量生産という現実は、信用と価値を危うくし、仏壇という存在自体が徐々に
先細りに成るのは当然だと思います。

 葬儀、仏壇、お墓に象徴される弔いに関する業界は、そのシステムが不明瞭で
一般の人の感覚では必要以上に高いという意識が蔓延し不信感という拒否反応が
衰退の大きな要因と言えるでしょう。

 しかし例えば、葬儀に関する一般の人からの批判は、近年様々に語られてい
ますが、数年前から始まった生前見積もりの考え方は、明瞭会計の答えとして
受け入れられ葬儀業界も変化しています。

 現在売られている仏壇は、大きく分けると伝統的な仏壇。
外国で安価に大量生産される仏壇。新型、現代、家具調仏壇と言われる仏壇。
デザイナーや芸術家の作品と呼ばれるアート系仏壇に分類出来ます。

 伝統的な仏壇は、信仰心の低下と住宅の洋室化に伴い売れなく成っています。
そこで価格を下げる為に合理的な生産で量産した物が生まれました、利幅の大
きさから販売店が増え、一時期盛り返しましたが、その様々な販売方法から
価格と価値が損なわれ不信だけが残った状態です。

 では宗教色を感じさせない家具調仏壇にすれば売れるかと言えば、定番と
成る程の存在ではないようです。そもそも弔いの気持ちが有るから仏壇を
求めるのであって、家具に見えるのでは、その気持ちと矛盾する事にもなり
ます。

 作家の作品としての仏壇は、デザイン家具の様なアートとしての存在ならば
理解出来ますが、多くの人は仏壇に葬祭具としての無名性を求めるのではと
感じます。

 それでは、根源的に仏壇を考えると、ほとんどの仏壇は箱に収められています。
本尊と仏具が箱に収められて、お寺の本堂の建物が箱という解釈でしょう。
実際に仏壇を置く場所は部屋ですから、部屋を本堂と見立てれば、本尊と仏具で
荘厳する形で基本的に完結し、箱が必然という訳ではありません。
例えば小振りの厨子(本尊)と仏具を並べて供養しても構いません、時代劇には
よくみられます。

 作品としての仏壇は、このような考え方から仏壇そのものが信仰の象徴として
イメージしデザインしていると思われますが、その形態が気に入る人以外は
違和感が有るでしょうね。

 もう一つの要素として、食品の様に仏壇そのものの生産地や生産者の顔が見える
事も出来たら理想的ではないでしょうか。確かに低コスト至上主義の世の中で
国内で作るのは確実に安くないのは解りきった事ですが、納得出来る作り方と
値段であれば弔いの道具として、きちんと提示出来れば可能です。

 そこで、『今の仏壇・私の仏壇』として具体的に考えると、基本パーツは
ベースの板、背面の板、そして天板の三枚を横から見てコの字で構成し、
本尊の掛け軸や仏像を納めます、基本はそれだけです。その他の仏具は
好みで自由に配置します、お寺の内陣の様に伝統的な荘厳にも出来ますし
シンプルな構成にするのも選べられるようにシステムを考えます。
そして企画した一社が全て作るのではなく、国内の各仏具業者の製品を組み
合わせ、共同で企画し、宣伝し、販売する。




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by butugude | 2013-08-05 19:15 | デザイン仏具 デザイン仏壇 | Comments(0)